今までのバランスが崩れ始めた日
今まで10人でバランスを保っていた人格が、1人抜け9人に。そして、目覚めておらず記憶を共有していない鈴音が表に出てきた事により、彼女たちの中ではとんでもない事が起きていた。
まず一番やんちゃだったカズが居なくなる時に、大暴れしてしまったが故に鈴音のドアが開いた事。
そして、みかんはパニック、れいは泣き叫び、沙良は怯えていた。
各々の部屋もぐちゃぐちゃに荒らして消えていったのだ。
れいは怖くなり泣き叫びながら体から抜け近くの公園で1人になっていた。バランスが崩れた事が原因か、それともカズが暴れたのが原因かは分からない。
しばらくして皆が気がついた。
「れいちゃんが…いない…」
すると百の身体に異変が生じた。
突然泣き出したのだ。
しばらくするとおさまって、らんに交代した。
らんは
「誰だ?あいつ?さっきからよく分からないのがいる」
と言うのだ。
れいの気配を辿って行くと近くの公園であやかと言う女の子の霊と遊んでいた。
事情を聞くと、今体にいるのは一緒に遊びたくて連れてきたりさという霊。
りさは気が強かったのか、れいを体から追い出してしまった。
わかりやすく言うと憑依という言葉だろうか。
れいを説得して体に帰ってきてもらい、りさを追い出した。
れいは幼い為、同世代の子と遊びたかったのだろう。友達が欲しかったのだろう。
数時間が経過し少し熱りが覚めた。
しかし胸騒ぎはおさまらないのは何故だ?と私は疑問に思っていた。